日本の輸入住宅に欠けているもの


「100年住宅」は当然のように考えられている海外住宅先進国に比べ、現在、日本に於ける2×4住宅に欠けているものは何でしょうか?

それはアメリカやカナダ等の住宅先進国の住宅に対する「考え方」や「価値観」にその解答があります。

住宅に求められる効用(役割)は大きく3つにわけられます。

1.デザイン:姿、格好、色彩、装飾等の総称をいいます

2.機能:使いやすさのことです

3.性能:耐久性や安全性のことです

以上の3つです。日本ではこれらの効用のことを、整理して考える習慣の無いところに問題があります。

 

もう少しわかりやすくいうと、例えば、住宅を建てる時の動機は人それぞれかと思います。結婚を機に、子育てのため、両親との同居など様々な理由があると思います。

しかし、10数年後の住まいの間取りを始め、使い勝手を考えてみると、必ずしもその使い勝手が10年後20年後の使い勝手につながらい事が多いのです。

ほとんどの人はそこまで考えずに住まいをつくってしまいます。その後生活の変化にともなって、不便さが出てきても「住まいに自分を合わせて」すみ続けるしかありません。

このように、使いやすさとは、人のかず分だけ、生活スタイルや好みのかず分だけあります。そのために「絶対的な使いやすさ(機能)」というものはないのです。ですから、そこに住む人の都合に合わせて「住まいが自分に合わせて」変化できるような仕組みをつくっておく必要があります。

次に「性能」と呼ばれる耐久性や安全性についても、将来その「性能」を維持・向上出来る様な設計をしておくことが大切です。「性能」を軽視するのではなく、性能が向上してきた今こそ、2×4住宅の「思想」や「価値観」に学ぶ必要があるのではないかと思います。

その基本は「デザイン」です。「性能」はそのデザインを持続存続させるために不可欠な技術です。「機能」という言葉に代表される使いやすさとは、その美しいデザインの住宅より住みやすくするための工夫のことです。日本の住宅全般に対する考え方は2×4に限らず、性能こそ一番という考え方に偏りすぎた勘違いが多いように感じます。

素敵なデザインの住宅には、耐久性等という言葉では語れない、不思議な力があります。

誇りを持ってい住める家、癒される家、愛着や懐かしさを感じられる家、自立心が育ち家族のコミュニケーションが自然にとれる家…

家族がずっと安心して幸せに暮らせる家、それはきっと年たっても壊すことがもったいないと思える家です。道行く人が写真にとりたくなるようなそんな住まい造りが今、日本の輸入住宅造りに求められています。実際に海外では愛着のある家を手放したくないから、家を大型トレーラーにのせて、「家丸ごと引っ越し」するなんてことが行われています。

これからの住宅造りには、雨風や地震など様々な天災や災害から身を護る住宅ということだけではなくて、住宅の伝統的なデザインに対する認識、評価する「見識」を持つことが大事になってきます。事実海外では伝統的なデザインを取り入れた住宅以外には金融機関は融資を行いません。

万が一、その住宅を市場にかけた時に、社会が評価している住宅でなければ販売が難しくなり、融資したお金が回収できなくなるので、公的な機関として、多くの人々に受け入れられるデザインを評価する制度が定着しているのです。

歴史の事実に照らして、優れたデザインの住宅は「社会的資産」としての「価値」が高まります。海外住宅先進国から「思想的」に遅れること50年、日本ではこれから「資産価値」としての住宅、本物の住まい造りの意味が問われる時代です。

 


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