プランニングの考え方

Real estate concept


プランニングとは、住宅を建設するにあたり、前もってそのデザインや間取りやお風呂や流し台等のレイアウトを計画することです。

日本で住宅を建設しようと思えば、その敷地には、目には見えませんが様々な法律の制限があり、地域によっても様々な規制があります。また、土地の形状も上から見たら四角でも横から見たら三角(傾斜している土地)など様々です。

プランニングに先立って考えておく事は…

・その土地の周囲の状況(お隣も含めて)や環境を考える

・その土地の法律や規制を理解しておく

・給水、排水、電気。ガスの引き込み状況(総称してライフラインという)

以上のことは最低限知っておく必要があります。次に「家族構成」「生活スタイル」「好み」「予算」を頭の片隅におきながら「プランニング」に入ります。出来れば箇条書きにしておいた方が良いでしょう。

日本人は住まいを買っても環境は買わないといわれます。その周囲の環境や風景に調和しない「住宅」はいくら豪華につくっても、見苦しいものになります。プランを専門家に依頼するときは、現地を調査してのプランニングが必要です。プランニングを考えるとき多くの人は、間取りから考えて外観を考えるという方法をとるところがありますが、これでは良い住宅のプランはできません。

 

良い住宅のプラン作成順序

1.自分たち家族はどんな生活をしたいのか?

2.近所や周囲の環境(風景や隣の家の日当たりや位置なども考える)を考慮して、庭や車庫、外構と建物とのイメージを考える

3.そして最後が間取りです。間取りの計画の時に大好きな家具やインテリアのイメージがある場合は、それらを盛り込んだプランを作成します。わからないときは間取りだけを作成します。わからないときは間取りだけを作成します。

 

言い換えるならば、最近は住まいをつくるといえば、その構造とか性能とかにあまりにも注意がいきすぎて、本来住宅に求めるべきはずの「夢」とか「価値観」や「暮らし向き」のことが忘れられているように思えます。

安心してプランを作成するには、安心して任せられる設計士や建設業者が必要なことはいうまでもありませんが、この段階ではその業者がいるという前提で話を進めます。

さて全体から部分を考え、再度部分から全体を見直してゆくという作業が大事であり、なによりも自分たちがどうくらしたいのかということが不在では良い住宅は出来ません。

住む人の考えや、こだわりの無い、環境を考えない家づくりは「木を見て森を見ない」家づくりとなり、後々後悔をすることになります。本物の2×4住宅の場合外観を定めても、その構造上かなりの自由度があるために外観が同じで間取りが違う、間取りが同じでも外観を変えるなどのことが出来てしまいます。日本流にアレンジされた2×4にはこれが出来ません。

 

オープンプランニングの導入

アメリカの住宅では、その間取り計画をする際に「オープンプランニング」という手法が導入されます。空間には、人やものを近づける働きと、それらを遠ざける効用があります。

当たり前といえば、当たり前ですが、この空間をいかに豊かに演出するかが「オープンプランニング」という考え方なのです。

わかりやすくいうと、ファミリーレストランにゆき、玄関から見渡すと一望できる店内も、自分の席を決めて座ると背中にある衝立のために自分たちだけの空間が出来ます。これが「オープンプランニング」の原理です。可変空間とも言うべきでしょうか。

せっかく大きな家を建てても、個室で仕切られた部屋ばかりでは外からみたら40坪でも、中に入ったら8畳(4坪)の空間しか見ることが出来ないのと同じことです。大きな家を建ててもその空間や広がりや豊かさの享受が出来ません。高いお金をかけて壁で囲うことが住宅であるとするならば、せっかくの空間を狭くして使うことはないでしょう。

隙間だらけの昔の家はともかく、高性能化された現代の住宅において、例えば、玄関に改めてホールをつくったり、長い室内廊下をつくったりすることにはあまり意味が無くなってきていると思います。

無駄な通路や間仕切りは必要最低限として、視覚的に気になる部分は観葉植物や家具で目隠しする。玄関は出来れば来客用と家族用に分け、来客用玄関からリビングが見渡せ見られてもいいようなデザインとする。洗面浴室は主寝室に隣接させ、他の場所にもいけるように出入り口を2か所つくる。

窓などの、外部からみられるところに使う部材は、なるべく同じサイズの形状のものを繰り返し使い、縦横のデザインの統一性を図る。窓の大きさや位置がバラバラの家は見苦しい外観デザインとなります。

窓の種類を増やすと、外部から見て見苦しいだけでなく、どこにお風呂があり、どこに和室があるかが、わかってしまうので防犯上もよくありません。

新築後、何年かして改修工事をしようとするときにこの窓の大きさや形状と位置がネックになって、思うような工事が出来なくなることがあります。

以上のことを心掛けることで、空気環境の改善にもなり、家族の気配を感じられる家にもなります。このことで「コミュニケーション」がとれると共に、ゆとりがあって無駄の無いプランニング、簡素化された設計図と合理的な施工、それには統一された資材の使用をポイントにプランニングすることが大事なことです。