合理的なプランを考える為のヒント


海外でいう「注文住宅」とは、レストランに行きメニューに従って好きなものを注文することと似ています。

メニューを見て食べたいもものを選び、お肉はミディアムレアでとか、麺は固めでと自分の好みに合わせ注文し、料理が運ばれてきたら、ソースをかけたり、胡椒をかけたりして食事をしますよね。

いくら5つ星レストランだからといって、いつ油を入れますか、野菜の切り方はこれでいいですかと聞きながら調理をするレストランはありません。

日本における注文住宅は、施工主のわがまま放題にさせることが注文住宅であると勘違いしている会社があります。デザイン性の重要さやプランの合理的なつくり方の指導もできない為に、物理的な耐久性性も見栄えも悪い住宅を併記でつくり、これは施工主の好みだからと知らん顔をしてしまうことが多いのです。

プロのシェフは、味の好みを聞くことがあっても、具体的な調理方法や盛り付けまでを、お客様にお伺いたてることはありません。

オーダーメイドの洋服を作る時も同じです。生地や柄を選んで、気に入ったデザインを体形に合わせてつくります。ファッションショーでもないかぎり、奇抜なデザインでオーダーメイドで洋服をつくる人は少ないでしょう。

「食文化」や「服飾文化」は、長い歴史の中で社会認知されてきた「形」が基本にあるために、九州で「牡蠣フライ」として知られているものが、東京では「柿フライ」になっていたなんてことはないのです。

海外の注文住宅は、一般的に100年以上前から「プランブック」と呼ばれる住宅の外観カタログを活用して行われています。このプランブックには沢山の種類があり、その中から、自分の好みのものを選び発行元に連絡するとその図面が送られてくるので、その図面をもとに見積もり等を工務店に出してもらいます。また、この図面には材料の数量も記載されています。もちろん本に書いてある通りの間取りが採用されるわけではなく、自分の好みの間取りや趣味やアイデアを生かして注文住宅がつくられます。

日本の住宅は、施工主のみならず、設計士や、ハウスメーカー、工務店もデザインの意味が解らない為、外観の姿や形ひとつとってもでたらめなものをつくってしまいます。

その証拠に、日本の多くの住宅は外観にとりつく窓や、ドアの位置や大きさひとつとってもバラバラで、一貫性が無い為に外観が美しくありません。しかも外から見ただけでどこにお風呂があって、どこにお手洗いがあって、どこに和室があるか等と間取りまでわかってしまいます。

防犯上、玄関ドアに複数のカギつけることも必要ですが、、外観から中がわかってしう事の方があ恐ろしくないでしょうか。

また耐震構造上、窓やドアの大きさや位置、特にバランスが重要なポイントとなります。これらの問題を解決するには、バランスの良い外観を考え、外観に合わせた間取りを考え、外観の窓やドアに合わせて各部屋のプランを考えるという柔軟な考えが必要です。