良質な住宅をどうつくるか~とある研修にて~


こんにちは、ばんどうです。

実は今回住宅の研修の為に、会場であるこのビルにやってきました。

テーマは、「良質な住宅をどう造るか」といった内容です。

設計の考え方や、部材や商品説明の後、屋外に待機してあったマイクロバスに乗り、近所に建築したその建物を見学させて戴きました。ちなみにこの日の参加者は20名くらいでした。

 

要はこのセミナーを主催しているグループに入れば、デザイン力や施工能力が多少低くてもこんな素晴らしい住まいが出来るんだよという事をアピールする為の見学会です。

 

人柄の良さそうな50才代の工務店の社長さんと30才前後の監督さんが出迎えてくれました。

 

その建物は、随所に工夫の跡がうかがえて中々の力作のようです。これもそのグループの設計士さんやスタッフのおかげですと考え深げに語っていたのが印象的でした。

 

しかし、しかし…です。工期や価格について聞いてみると戦慄が走りました。

言葉にこそ出しませんでしたが「エッ、その価格で、それだけの工期を賭けてこのデザイン、この品質…それはないでしょ~」。

 

セミナーの最後にはグループへの加入の呼びかけやら更なるPRなどもありましたが、当然加入する気はさらさら無く「勉強になりました」と挨拶をして足早に会場を後にしました。

 

日本国内には住宅会社の大小こそあれやく60万社あるといわれていますが、

参加する住宅会社も、セミナーを主催する側も「ちょっとどころか大幅に違うんだよなー」という場面に時々遭遇します。これは巷(ちまた)にあふれている住宅の書籍類にも同様の事がいえます。

 

海外の住宅先進国では建築について学ぶとき、法律や規則ばかりではなくそのデザインや見積の仕方など実用性と美的な要素についても学習します。

これを「コンストラクション・マネジメント」といいますが、日本にはその事を教える学校も、教育機関もありません。ちなみにアメリカには80を超える教育機関が中心になって教育の普及に取り組んでいます。

 

最近「ローコスト住宅」を耳にする事が多くなりました。これは「良質な住まいが低価格で建築できます」という事ではありません。これらの住宅にはいかに安く造るかと言うより、いかに安く見せるかという事に特化しているだけの事が多いのです。コストとは「原価」の事です、「原価」が安いのだから「販売価格」が安いのは当たり前です。

 

ローコスト住宅には「おせち料理の重箱」のように何段階もの仕掛けがあって一段目には「建物本体」二段目にはそれを作る為の「関連工事費用」三段目に「オプション工事(通常ならセットされているはずの部材がオプション扱いになっているケースが多い)」等々、最低三段階層になっています。

 

今回見学に行った建物はローコスト住宅ではありませんでしたが、「コンストラクション・マネジメント(C・M)…建物のコスト、品質、工程管理をコントロル、或いは監理する学問の事」を学習していないという点では同様でした。

(残念な事ですが、日本では実に多くの建設会社が建築や建設業を科学する事よりも売り方、見せ方を科学というより化学する会社ばかりが目立ちます…

そう思うのは私一人だけでしょうか?)

 

お話が幾分それましたが、ローコスト住宅を手がけている会社で今回私が見学した建物を注文した場合、出来ませんと断れるか、注文したら今回見学した工務店が造る以上の価格になるかのどちらかです。

 

建物の価値を測る物差しは「世界共通」です。分かっていないのは日本の建築士くらいです!

それは①デザイン ②機能 ③性能 の三大要素が価格に見合っているかどうかという事です。海外では住宅は取得した後、安くなるのではなく値上がりして行くのが当たり前です。それは前述の三大要素にのっとって建てられた住まいだからです。

 

他社の見学会を見る事によって自社に無い部分や、逆に自信を持てた部分など参考になる事は多々あります。今回のセミナーも参考になる事はありました。

 


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